農商工連携取り組み

天然わら納豆 開発ストーリー

1…はじまりは一本の電話から
滋賀県高島市役所の落合さんと共に

滋賀県高島市役所の落合さんと共に

きっかけは、滋賀県高島市役所の落合さんからの一本の電話でした。2008 年10 月、「北畠さん、おたくの取り組みをHP で見たんやけど、高島の無農薬の藁(わら)と大豆で納豆をつくってもらえませんか?」「藁と大豆を送りますので」・・・・。
「(私は何でうちなんだろう)滋賀県にも納豆メーカー有りますよ?」とお伝えしたのですが、「いやどうしても一度作って欲しい。材料送りますんで」との返答が落合さんから。
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2 … 藁つと納豆作りへ挑戦
藁つと納豆の試作品

藁つと納豆の試作品

「なんかうち、認めてもらってるのかな?」との嬉しさもありました。そしてなによりも納豆屋としては、天然の納豆菌による藁つと納豆の生産にチャレンジでしたいという想いもありましたので、引き受けることにしました。この時、“いるのか”“いないのか”分からない藁に付着した自然の納豆菌を頼りに納豆を作るという“ちょっとした納豆作りのロマン”を感じたのを覚えています。

※ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、納豆菌は自然界に広く存在しています。昔は稲わらに付着した天然の納豆菌を使って、手作りの納豆を作っている方もいらっしゃいましたが、現在、納豆メーカーでつくられている納豆のほとんどは、納豆菌を人工添加することで製造されています。また、農薬を使用して栽培された稲わらでは納豆菌の数が少なく、十分に発酵できないといわれています。今では貴重になった無農薬の稲わらと大豆が高島にはあったからこそ、できたチャレンジだったともいえます。

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3 … 試行錯誤の連続
藁つと納豆の完成

藁つと納豆の完成

まもなく藁つとと、大豆(品種は納豆小粒(なっとうしょうりゅう)が滋賀県高島市の農家から送られてきました。すぐに日程を組んで試作に取りかかりました。しかし、試作は失敗の連続でした。思ったように納豆が醗酵しないのです。糸は引くのですが、未醗酵の納豆ではとうてい商品としては通用しません。毎日毎日、天然の納豆菌での醗酵を考える日々が続きました。
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4 … 天然わら納豆の誕生とTV 出演
テレビ東京「ガイアの夜明け」撮影風景

テレビ東京「ガイアの夜明け」撮影風景

そんな試行錯誤が続いた2008 年11 月中旬に、あることをひらめきました。『天然の納豆菌の生命力にまかしてみてはどうかと・・・』この考えのもと醗酵にチャレンジすると納豆菌が活発に活動を始めたのです。藁つと納豆が完成した瞬間でした!この喜びを落合さんに報告すると「数日後に行きます!」と喜びの声。後日待っているとなぜか落合さんにカメラマンが同行しています。こだわりの納豆作りを撮影するためでした。このとき撮影した映像が2008 年12 月に放映された「ガイアの夜明け」です。
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5 … 皆さんに支えられ国の認定を受ける
こうしたチャレンジを高島の皆さんと連携して進めるために、国の農商工等連携事業計画に申請し、2009 年10 月26 日付けで認定を受けることとなりました。計画の名称は「特別栽培された滋賀県高島産の大豆と稲わらを使用した天然わら納豆等の開発」です。以降、高島の農家の皆さんと大豆の品種の見直しや栽培方法の改善などを行いつつ、商品化に向けた取り組みを進めています。